JIA埼玉 空間デザインワークショップ「気持ちいいをつくろう」-ソーシャル空間で音楽とあそぼう- |
さいたま国際芸術祭2020公募プログラムとして、JIA埼玉の空間デザインワークショップが採択され、10/11にイベントを浦和の別所沼公園にて実施いたしました。

昨年の10月のイベントは台風19号の影響で中止となり、4月に行うイベントは新型コロナウイルス対策の為、自粛により延期、そして今回、台風が接近しているという情報を受け、やむなく10(土)のイベントは中止にいたしました。どうにか雨が上がってほしいという願いがとどき、11(日の)だけのイベントとして開催することができました。
朝、8時に集合して会場づくり。準備中もパラパラと雨が降ったり止んだり。心配の中、10時からイベント開始。毎年行われている幼稚園の運動会も中止のようで、公園は静まり返っています。

今回のイベントは、「紙管と仕口でつくる空間ワークショップ、」小さいお子様向けに、「楽器をつくろう!工作ワークショップ」。そして、写真家の浅見さんが展開する「影をつかまえる!フォトグラムワークショップ」。14:30からは、青木裕志さんとみきたまきさんのパフォーマンス、しらすいANYTIMeの吹奏楽アンサンブルと、いろいろなプログラムを用意しました。

心配をよそに、次第に日差しも出てきて、公園に出てくる家族連れも次第に増えてきました。そして、皆さん興味深そうに参加してくれました。気が付いたら、ヒアシンスハウス前の芝生には、親子で製作した作品でいっぱいになっていました。

今回の紙管をつなぐ仕口は武蔵野美術大学大学院の南雲さんが開発してくれました。MDFという板をレーザーカッターでカットしたものを4方向に脚が突き出た形に組み立てます。紙管のサイズがばらばらでも融通きき、紙管を差し込むだけのシンプルなものです。子供たちはパーツを組み立てるところからプラモデルのように楽しめます。出来上がる空間は紙管の長さによって、いろいろな形になります。すべて個性的な作品に仕上がっていきました。子供たちは、空間ができると家具のデコレーションやペイントを施して、スタッフ達に満足げに説明をしてくれました。

作品でいっぱいになった会場で、いよいよ作家さんによるパフォーマンス。浅見さんのアート作品を舞台に音楽、ダンスにより、素晴らしい作品を披露していただきました。おかげさまで会場いっぱいになったところで、吹奏楽団の演奏がどっからともなく始まります。聖者の行進、もののけ姫等、7曲程度演奏して、みんなが作ってくれた楽器を使って一緒に演奏して盛り上がりました。特に、最後のパプリカでは、舞台前でキレッキレのダンスを披露してくれた小学生のおかげで、とても楽しい演奏会になりました。

我々建築家の使命として、次の世代にものつくりの楽しさを伝えることを目的としてイベントを始めました。建築は単なる箱ではなく、その中にできる空間の中で気持ちよく過ごしてもらうことを目指しています。イベントを通して、子供たちの夢中になっている創作をしている姿、そして完成した時に素敵な笑顔を見ることができました。家族みんなが作品を作ることを通して幸せを感じている姿を目の当たりにすることができて、本当に嬉しくなりました。
そして今回のプロジェクトでも、浅見さんをはじめ、南雲君や学生さん等、様々なアートにかかわる人々の輪が広がりました。コロナ禍でなかなか難しくなっているリアルなイベントでしたが、しっかりとした準備をすることで、皆さんにもリアルなアート体験をすることができる。これからも、リアルなアート体験を絶やしてはならないという気持ちになりました。


