JIA埼玉 空間デザインワークショップ「風と雲をつくろう」~「感じる」を「見える」ようにする~ |
今年で3回目となるJIA埼玉 空間デザインワークショップ。今年は、心配された台風の影響もほとんどなく、晴天に恵まれました。10/6土・10/7日の2日間、今年も別所沼公園ヒアシンスハウス前で行われ、多くの方たちに楽しんでもらいました。
今年の新アイテムは「ヒートガン」と「カーテン」「ヘリウム風船」です。
「ヒートガン」はドライヤーの強力なもので、約600℃の温風が出ます。
紙管に差し込んだペットボトルを、ヒートガンで熱します。すると不思議なことにどんどん縮んでピッタリと引っ付いて固定されます。
昨年のイベントで夜になると足元から紙管が朝露でぬれて崩壊してしまったという反省から、足元は、ペットボトルの口で固定し、土に紙管が接することがないような仕口にしました。
「カーテン」は縫製前の幅3mのロール布を使用しています。強い日差しを遮るために反射性のあるカーテンを使い、大きい日よけ屋根をかける計画。 大人5人がかりで約2時間かけて高さ3.6mの紙管の柱4本、スパン7mのシェードが見事に完成しました。
ところが、この日は風が強く、割りばしとペットボトルで継いでいる紙管が折れてしまいます。すぐに3本の紙管を巻いて補強をし、何とか留まっている状態。しかし、強い風が吹くと大きな布はヨットのように風を受けて柱を揺らします。 様々な形を変えていく雲のような布を眺めながら昼食タイム。
午後からは、隣で行われていた保育園の運動会も終わり、風船目当てにお客さんがやってきました。
小さいお子さんには、風を表現するアイテムとして「モビール」や「風車」や「ヘリウム風船」をつくりました。ヘリウム風船は人気でしたが、何度も空に飛ばしてしまう子もいて、しっかりおもりをつけて渡してあげました。
途中、強風が吹き、屋根が飛ばされ、いよいよ修復不可能となり、この日は屋根撤収。
2日目に向けて対策を練ります。
お父さんと一緒に来た子供たちは、小型のテントを作ってもらい親子でものづくりをしてもらっていました。
そして出来上がった白い空間で過ごしてもらっています。
1日目はバタバタとしている間に、あっという間に過ぎてしまい、夜の反省会へ突入しました。
2日目。この日も快晴。
夜の風にも耐えて子供たちが作ったテントが並んでいます。
この日は、ヒアシンスハウスの立原道造さんのフラッグポールを拝借して大屋根をかけました。
これで柱が折れることもなく、ダイナミックな屋根がかけられます。
昼になり気温がぐんぐん上がり、この日の最高気温は10月にして30℃。汗をかきながらも子供たちと、次々にテントを作っていきました。
ワンちゃんも楽しんでいます。
小学生の女の子たちは薄暗くなるまでずっとテントの中でおしゃべりをしていました。
ほどよく外と中が仕切られた空間はいこごちが良いのでしょうか。
今回のイベントとしては、風や雲を表現できていたのではないでしょうか。天候にも恵まれ、青と緑をバックに白い布が良く映えていました。ヘリウム風船も楽しさの演出になっていました。
反省点は、諸都合で当日スタッフが少なく、お客さんの対応が間に合わない場面があり、スタッフたちも暑さのなか、へとへとになっていました。子供たちだけでも空間を作っていけるシンプルな仕組みができれば、もっと楽しめるのではないでしょうか。
とても難しい課題がまたできました。これからも市民へ、子供たちへ、空間づくりの楽しさを伝えていきたいと思っています。